宗教に限った話ではないけど、別のものを心から信じている人間同士のぶつかり合いはおもしろい。
何かを強く信じることができる人間って美しいなと思う反面、お互いに自分が育った文化を絶対的なものだと信じて疑わないからこんな争いが起きるんだよって言いたくなる気持ちもある。
先に改宗した神父が寺で言ってたことがあの時代を生き抜く上では一番正しい。
でもそれはあくまでそれを選ばざるを得ない時代だっただけで本当に正しいのはロドリゴの方なのかもしれないし、他宗教を認めることができなかったロドリゴがやっぱり間違っているのかもしれない。
村人の告悔を聞くロドリゴの姿を見たり井上たちが日本の仏教について語るシーンを見るとどちら側も正しく感じるし
今の時代の自分という視点でこの話を俯瞰で見ると日本側もキリシタン側もどっちも愚かだなと思う。
どちらかが正しくてどちらかが間違っているということはないと思った。
この映画を見る前までだったら「他のものにも寛容であれよ」って思うことが多かったけど、なんか「信仰の重さ」みたいなのが凄い伝わった。重さというか血肉になってるというか…
全く好きなタイプの映画ではないけど見るべき映画ではあった。