インドを逃れフランスにやってきたハッサン(マニシュ・ダヤル)家族は田舎町でインドレストランを開く。しかし、その向かいにはマダム・マロリー(ヘレン・ミレン)の経営する老舗フレンチレストランがあり、2つの店はいがみ合い幼稚な妨害合戦を始めてしまう。そんな中、ハッサンはマダムの手を借り料理の才能を開花させるのだった。
ラッセ・ハルストレム監督らしいのどかさに、インドテイストの力強さが加わった気持ちのいい作品。
料理は美味しそうだし、ハルストレム監督らしく悪人が出てこない安心感がたまらなく好きだ。
ただ、料理の評価に店の経営、ハッサンとマルグリットの恋、マダムとパパの微妙な関係、文化の衝突と話が散らばり過ぎたせいか、期待していた爽快感はなかった。
ハッサンの天才的な料理の力が画面から伝わって来なかったのと、マルグリットの恋心がなんか良く分からなかったのも原因かな。
そんな若い2人よりもヘレン・ミレンとオム・プリの関係を見てる方が面白かった。子供っぽい喧嘩から仲良くなっちゃうのは違和感あったけど、2人とも温かみがあって良かった。
「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」「セイフ ヘイヴン」と同じように、この山間の古風でのどかな町には絶対に行ってみたくなる。
中盤、夕焼けの中に2人並んだ自転車の場面、そしてラストシーンと、映像の美しさは驚異的!