精神科医マーク(ジェフ・ブリッジス)のもとに、惑星K-PAXから来たと主張する患者プロート(ケヴィン・スペイシー)がやって来る。プロートは他の患者の心を開き、高度な天文学の知識を見せる。マークはプロートの話を信じ始めるが、医師として彼の正体を探ろうとする。
ジャンル分けは難しいけど、SFヒューマンドラマなんだろう。
ファンタジックな雰囲気から、終盤があまりにも過酷で現実的だからか、公開当時の評価は芳しくなかった。
人間か異星人か分からない、不思議なプロートは病院の患者たちを癒すだけでなく、実は医師であるマークを治療する存在だ。
確かにマークが家族愛に目覚めるプロットが単純すぎるだけでなく、催眠療法という安直な方法もイマイチ。映画の結末がどちらであれ、紫外線とか天文の知識とか矛盾があるし納得感がない。
孤独なベスには地球に生きる場所がないと言っているのも残酷だ。
それでも、主演2人の演技と存在感は素晴らしい。
ケヴィン・スペイシーはいろいろあったけど、最後の表情なんて絶妙だ。
まだ評価が上がってくる前のジェフ・ブリッジスも人間味あふれる役どころにハマってる。
公開から20年経った今、夫婦も家族も持たない極めて合理的なK-PAX人は、SNSで繋がる現代人に似てると感じるのは気のせいかな。