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チャイルド44 森に消えた子供たちのKHのレビュー・感想・評価

3.5
トム・ハーディとゲイリー・オールドマンだけで観れてしまうな。

スターリン政権下で、殺人は起こるはずがない、という思想の元、起こってしまった連続少年殺人事件を追う話。

僕が感じ得たのは、事件そのものではなくて、そういう社会があったことについて。
明らかに同一犯なのに、それぞれで犯人を仕立て上げ、それに追随する反逆者たちをどんどこ粛清していく。
常に死の恐怖と隣り合わせになりながら、愛情すら真実かわからない社会。

なんだ、今とあんまり変わんないじゃん。

死はいつも隣り合わせ。いつも死にたいって言ってる人たちがそこら中にいるし、
愛は本当かわからない。
間違いの隠蔽も当たり前だし、やはり、どんな形であっても歴史は繰り返している。

でも今の時代は、信念さえあれば、叶うにせよ叶わぬにせよ、本人にとっては良い人生になり得るのだと思う。誰でも。

その時代に、そういう人たちが、そういうことをやり遂げたという意味では、この作品はなんだか、一種の救いを見出せるものなんだと感じた。

でもとにかく暗いので、次は明るい作品をみたいです。
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