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チャイルド44 森に消えた子供たちのryoのレビュー・感想・評価

5.0
『there is no murder in paradise』(楽園には殺人は存在しない)
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ソ連では資本主義国家のような殺人なんてものは存在しない。楽園には殺人なんてない。そんな国家の建前のために、殺人事件さえ事故として処理されていたところに連続して少年の遺体が発見される…。
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もう、トムハがむちゃくちゃいいです…!!!!彼を疎む部下役の人もすごかったけど。

スターリン政権下のソ連、密告社会の凄惨さ。捕えれば白でも黒、国の建前のためなら黒でも白、それが当たり前という世界で、ひたすら重苦しくてハラハラ。

親友の息子の死も絡む事件を密かに探るのは、国家保安省MGBのレオ。
左遷される理由が人道的な態度や、絶対服従のテストで妻を庇ったっていうあんまりな理由なのだけど、そんな彼だって彼だけはMGBでもモンスターじゃないなんて市民からはわからないんですよね…。

妻となるライーサとの出会い、愛の言葉、きゅんとしながら冒頭みてたんですよ。そこで中盤、ライーサが告げた真実。もう切なくて悲しくて。当時の彼女の恐怖も、レオの気持ちもどっちもつらすぎて。でも、レオはひとりでも、ふたりでも、彼女をかばったと信じたいな…。

ラストも一筋縄では行かないながらも、次に繋がる感じで終わったのがよかった。

トムハはもう、揺れる目とか弱さが垣間見えるシーン、ほんとに心臓ぎゅっとさせる…。それ知ってると違う意味で1週間泣くよ…。


列車とラストのとこは、乱闘しすぎてどっち優勢かすら分かりにくくて、すごく心配になってしまった…。
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