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アラビアの女王 愛と宿命の日々のせのレビュー・感想・評価

3.0
歴史上、日本ではこれまであまり知られることのなかった大英帝国きっての女性考古学者、探検家、中東研究者であったガートルード・ベルの話。
今も映画史に燦然と名を連ねる「アラビアのロレンス」がありますが、今度は女性が主人公でいかにも現代的な物語になりそうだと思っていました。(勿論、時代背景的にも彼女とロレンスの交流は大きかったことが伺えますし、彼女がロレンスに与えた影響というのも大きかったことが分かる内容になっています)
やはり、当時は女性が活躍しづらい社会。男尊女卑の思想が色濃い様を描いていおり、その中で才女として慕われていたベルの強く逞しい女性像を描いていました。一方で、世の女性と同じく愛を求める女性としての面も描かれています。
サイクス、チャーチルなど日本でも認知度の高い人々を滑稽に描く点が面白かったです。しかし、ベドウィンたちとの交流といった重要な要素が少し物足りず、真新しさはありませんでした。あまり良くない意味で型にハマった伝記映画でした。そういう理由で個人的な評価は低くなってしまいました。
しかし、砂漠の雄大な風景、大英帝国の植民地政策に翳りが見え始める政治状況などは精彩に描けているという点は良かったと思います。歴史好きな方は是非。
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