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不屈の男 アンブロークンのnotitleのレビュー・感想・評価

不屈の男 アンブロークン(2014年製作の映画)
4.1
アンジェリーナ・ジョリーが『スカイフォール』の撮影監督を引っ張ってきて、「私の考えた戦場のメリークリスマス」を撮った映画。

まず、主人公を徹底的にいじめるMIYAVIがいいですねー。
男だけどとても色っぽくて、なんとなく坂本龍一っぽい雰囲気。外見からして実在した本人と全然違うじゃん! 理不尽な暴力を振るう感じはビートたけしの原軍曹みたいだ。しかも、捕虜になんとなく親しみを感じてるっぽい表情を見せたりする。ジョリーさん、これ『シンドラーのリスト』のレイフ・ファインズ入ってない?

冒頭の海の上のサバイバルは『ライフ・オブ・パイ』っぽいかと思ったら、海から襲ってくるサメのショットは完全に『ジョーズ』だ。
全体の半分くらいはこのサバイバルシーンなので、戦争アクションという括りは相応しくないかも。

一部で反日映画だのなんだの言われてるけど、実際に見てみたら日本側の描き方もかなりフェアに描いていて、下手したら最近の日本映画よりもきっちりやってるんじゃないかしら。アメリカの空爆で死んだ民間人も映してるし、MIYAVI軍曹の描写にもきちんとエクスキューズがついているし。
原作がどうだか知らんが、あくまでアンジェリーナの撮った日本像は公平だと思う。

映画自体も「つらい目に遭わされても相手を赦してあげなさい」という真っ直ぐなメッセージであって、決して日本への憎悪を煽るものではない。
普通に良い映画でした。
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