初めは映画の内容そこそこにMIYAVIさまの軍服姿が目的だった。
けれど観始めると捕虜となったザンペリーニの日本兵による暴力と弾圧の日常が生々しく描かれていて、目を覆いたくなったけれど一コマ一コマしっかりと目に焼き付けた。
公開当時”反日映画”と批判されたらしいけれど(虐待の真偽はもちろんわからないし)わたしは決してそうは思えなかった。
幼い頃は厄介者として疎まれていた少年が、自分や兄を信じてその才能を開化させるが、東京でのオリンピックを目指していた矢先、”戦争”という国の身勝手に巻き込まれ、望んでいた理由とは全く別の理由で東京に辿り着いてしまう。
そして渡邊睦裕という一人の男に出会う。
渡邉がどうして執拗にザンペリーニをいたぶったのか。映画の中では反抗的だからと言われているけど個人的には、裕福な出身でありながら伍長という役職をあてがわれた渡邉は家柄は無くても自分自身の力で成功を収めたザンペリーニに嫉妬していたんじゃないかと思う。
暴力でしか他者を服従させることが出来ない自身とその存在だけで他者を圧倒させることの出来たザンペリーニ。
戦争の無情さを感じることが出来る貴重な作品。