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夜の片鱗のchiyoのレビュー・感想・評価

夜の片鱗(1964年製作の映画)
3.5
2023/10/2
レコード会社の下請け工場で働きながら、夜は知り合いのバーでホステスとして働く19歳の芳江。序盤の彼女がとても無邪気な分、英次と知り合ったことで転落していく様が居た堪れない。中でも、英次から逃げた後に連れ戻され、彼が所属する組で輪姦されるシーンがあまりに酷い。直接的な描写はないものの、事が終わった組員たちが英次にかける言葉が生々しい。その後の芳江は、当然のように街娼に。が、馴染み客・藤井に求婚されたことで転機が訪れる。ただ、真摯に見えてやることはちゃっかりやってるし、後々に「俺が助けてやった」的なことを言ってきそうな気も。一方、その頃の英次は男性としての機能を失い、芳江への態度が180度変わって甲斐甲斐しい主夫に。その卑屈さに失望するも、どこか憎めないのは演じる平幹二朗の巧さ。なお、ネオンを始めとした色彩が印象に残る。
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