odyss

ヴィヴィアン・マイヤーを探してのodyssのレビュー・感想・評価

4.0
【知られざる女性写真家】

生前には知られることのなかった女性写真家ヴィヴィアン・マイヤーの作品や生涯を紹介したドキュメンタリー。
私はこの映画を見るまでヴィヴィアン・マイヤーの名前すら知らなかった。

その作品は市井の人物を撮ったものが多数で、人間の多様な側面を捉えている。写真だけでなく、8ミリや16ミリのフィルムも残されている。

彼女の生涯だが、一生独身で、家政婦やナニーなどの仕事をしながら生計をたてていたという。(この映画にはナニーとしての彼女を知っている人物の証言も収録されている。)NYの生まれだが、母はフランス人で、彼女自身もルーツを求めてか母の出身地であるアルプスに近いフランスの寒村を訪れ、写真も撮っている。

知られざる写真家の作品、そしてその生涯を探索しつつ紹介したドキュメンタリーとして、非常に興味深かった。

写真好きの人はもとより、人間の生き方や表現への欲求について考えたい人にもお薦めである。
odyss

odyss