ヴィヴィアン・マイヤーを探しての作品情報・感想・評価

「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」に投稿された感想・評価

写真家ではなく乳母を職業としていたヴィヴィアンマイヤーという女性の写真ネガが
ふとしたきっかけで世に出て、評価されるようになり

その女性がどのような女性だったか
なぜこれだけ評価される写真を世に出すことはなかったのか

それを取材するドキュメント


死後、偶然にも作品が世に出て評価される
近代芸術家で偶然でないにしろ死後こそ評価される方々が多数いることは知識として知っていたけど

自分が物心ついて以降の年代でそういった事もあるのだと思うと
何かロマンめいたものを感じて感心した

その女性自身にも関心はわくし
決して作品も悪くはないのだけど

関係者へのインタビュー部分が想像よりも多くて、というか彼女の作品が映し出されるのが思ったよりも少なくて

個人的にはもうちょっと効果的に写真作品を見たかったなぁと

そもそも作品数がそんなないかもしれんから
全部使ったのかもだけど
蒼

蒼の感想・評価

4.0
2018/1/31
あー、よかったな、これ。ミステリーの要素もあって。よくぞ見る目と熱意がある誠実な人に発見されたものだ。写真を人に見せることを彼女は望んでいたのか?という点が謎のまま進んでいくけれど、公開され評価されてよかったのだと思う。写真が、本当にいい。人間嫌いの人にはあんな写真は撮れない。写真を撮ることが、彼女の、人と世界とのコミュニケーションであり、表現方法だったんだ。いつか行ける範囲で写真展が開催されるなら見に行きたい。
すごく良かった!

私自身、写真の才能がなく (学生時代の写真の授業で成績悪いわ先生からは直接「みんなもっと上手いよ?」言われるわ。笑)、他人の写真の好し悪しすら判別つきかねる次第。同学生時代、授業でロバート・キャパの展覧会にも行かされたが、よくわからん。よいの?

そんな私ですら、彼女の写真の完成度の高さを感じることができた。

構図の良さ・タイミングの良さ・被写体の良さ。
本当に「二度と帰ってこない」その一瞬を切り取っているようで。

ファインダーについての言及もあったが、あのカメラだからこその「カメラを向けられた時の (または向けられていることに気づかなかった時の) 自然な一瞬・距離感」が実現しているのだと思った。

また、この監督でもあるジョン・マルーフさんって何者だろう、という感じが終始気になったが、ご本人も「アートなことをする人間だという自覚はあった」というようなことを読んだので、彼女の写真の発掘が、彼自身の発掘も呼び起こしたこととなった。

突然、ふたりのアーティストが生まれた。
彼の熱意と、ヴィヴィアンの写真の素晴らしさに改めて「観てよかったなぁ」と思える映画だった。

ヴィヴィアン本人の人となりは、「アーティスト」と「気がふれた人」との境界線の危ういところだったんだろうなぁ、という感じがしたけれど、まぁ、もう。故人ですし。
というかむしろ周囲の人が優しいな、という感じがしましたが。

最後の、被写体となった人が何十年も先に昔の自分と出会ったり、故人となってしまった「自分では目にしなかった」被写体に会いに行ったり。

中盤くらいで「全てを残したいような気持ちで、記録のように大量に写真を撮ってたのかな」と思ったけれど、本当に「記録」というか「その人が生きていた証拠」のように残ってた。

本人はどんな気持ちでいたのだろう。「実生活が不幸な方がいい作品ができる」とは言われているが。
埋まるはずのない穴を埋めようとするから。
一生かかっても埋まることがない、と、知ってはいても。
埋めようとする努力をせずにはいられない。その努力をしないことには、生きることが痛すぎて。

彼女は、でも、女だから。
死後に写真が明るみに出て (彼女にとってはベストな方法で写真が発表されたにしても) 名声を得るよりは。
そんな才能なくなっても、愛する人たちに愛し愛され、暮らしたかったんじゃないかなぁ、という気がしてならない。

男性の場合は、孤独を選ぶかもね。
というのが、経験則。
rii

riiの感想・評価

5.0
演出が独特。結構楽しめた。自分個人にとって、何かのきっかけになりそうな映画。
mayuuu

mayuuuの感想・評価

-
2年前くらいに近くの映画館で上映されてた時に、ヴィヴィアンマイヤーを知って映画は見逃してしまったのだけどネットで見た写真は忘れられずずっと覚えてた名前。
やっとNetflixに映画が来てたので見た。
めちゃくちゃおもしろかったし、やっぱり写真が良かったので写真集買おうかな、、
とり

とりの感想・評価

4.0
映画を作った彼がたまたまフィルムを見つけていなかったら?写真をネットで公開していなかったら?こんな素晴らしい作品が世に出る事はなかった。
亡くなってから作品が有名になるというのは珍しくはないけど「貧しかった」という彼女が何故ローライを手に入れてフィルムを購入し時には現像、プリントして写真を撮り続けていたのか、彼女の口から聞いてみたかった。


▽きろく
「写真とは撮影者がファインダー越しに、被写体を定め、その空間や時間を切り取り、永久化させること。その写真を見れば、撮影者の精神状態、被写体への想いが手に取るようにわかる。」以前、大学の教授がそうおっしゃっていたことを思い出した。

別次元のメリー・ポピンズのような、摩訶不思議な存在ヴィヴィアン・マイヤー。カメラを常に首にぶら下げ、ストリート写真を数えきれないほど撮影していた彼女だが、本質とはかけ離れた乳母として、檜舞台に立たぬまま生涯を終えた。
運命か必然か、人生予想外な出来事で溢れていると幾度も感じた。亡きヴィヴィアンのフィルムを手にした映画監督でもない青年がドキュメンタリーを制作するなんて。そして、世界中の人々が彼女の作品を知るなんて。個人的に彼女を知れて本当に感謝している。お気に入りの写真家になった。また、監督の徹底した、根気強いリサーチ力は本当に凄かった。まるでテレビ局や探偵のよう。

ただ、本筋から離れるが1つだけ気になった点があった。勿論、芸術家たるもの奇人だと重々承知の上だが、児童虐待、職務放棄、暴行等、リアルタイムだったら問題になりそうだが、大丈夫なのだろうか。まぁ、故人であって、起訴されたわけでもないから大丈夫か...な。

兎も角、身近にあるものの核を見る努力さえすれば、こういった奇跡と謎に遭遇できるかもしれない。暮らしに可能性を感じさせる1作だった。

[メモ]
写真はつや消し。
miki

mikiの感想・評価

4.0
彼女に対しての印象が、人それぞれ違っていて面白かった。
まったく真逆なことを言う人もいて、果たしてヴィヴィアン・マイヤーという人物はどういう人だったのか、もっと知りたくなった。
有名な写真家も彼女の写真を讃えるほど、
亡くなった人物が人々の手によってこうして今でも生かされている姿にただただ凄いなーと思う。
「良い作品は一人歩きをする」と聞いたことがあるけれど、まさにその通り!
ヴィヴィアン・マイヤーという女性の存在は知っていて、確か謎の多い変わった女性だったんじゃなかったっけ…
そんななんとなくの印象だったが、彼女の写真には確実に惹き付けられるものがあった。

彼女の撮影した大量の写真たちは彼女の死後に発見され、「20世紀最高のストリート写真家」の一人と評され、全米で一大センセーションを巻き起こす。

冒頭、ヴィヴィアンと関わりのあった人たちの無言の表情が映されるが、これから明かされるヴィヴィアンという女性の意味深さを匂わせ、これは何かあるぞ感が伝わってくる。
生前のヴィヴィアンは乳母として生計をたてていた。ヴィヴィアンを雇っていた家主と子供の話からは始め、従順で、子煩悩で、外交的なヴィヴィアンの乳母っぷりが語られるが、ヴィヴィアンとの日々を振りかえる証言者たちの表情は徐々に変化し哀愁を帯びてくる。
ヴィヴィアンという女性は知れば知るほどに謎が増す。

死人は口無し…今は亡き人物について生きてるの者がなんやかんやすることの是非や証言に関しては話半分ということを前提とし、今作は構成がとてもよくできており、ヴィヴィアン愛が伝わるものに仕上がっていると感じた。

ヴィヴィアン・マイヤーをモデルにした映画が制作されることを望みます。
絶対おもしろいはず。
思わず引き込まれたドキュメンタリー。
彼女が溜め込む身の回りのものを並べてるシーンがアートでキュート!
その飾らなさが絵になるので最初から目が離せませんでした。

たくさんの人たちの彼女を語る生の声には
統一性があったりなかったり。
どれが真実とかではなく他人の感じ方は人それぞれ。
おもしろいと思いました。
彼女自身もきっとそれぞれの人に対して
いろんな風に感じていたでしょう。

日本でも写真展が開催されるといいな。
目の前で彼女の写真を観てみたい。
それにしても骨董屋さんてやっぱり見る目あるんですね。
本物を見抜くチカラと好奇心が
世界中に彼女の存在と才能を知らしめた。
すごい。
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