ヴィヴィアン・マイヤーを探しての作品情報・感想・評価

ヴィヴィアン・マイヤーを探して2013年製作の映画)

Finding Vivian Maier

上映日:2015年10月10日

製作国:

上映時間:83分

3.8

あらすじ

奇跡は、あるアメリカの若者が、オークションで手に入れた写真をブログにアップしたことから始まった。2007年、ジョン・マルーフというシカゴ在住の青年が、オークションで大量の古い写真のネガを手に入れた。その一部をブログにアップしたところ、思わぬ反響があった。熱狂的な賛辞が次から次へと寄せられたのだ。ところが、その撮影者の名前をネットで検索しても一件もヒットしない。ヴィヴィアン・マイヤー。確かに、聞い…

奇跡は、あるアメリカの若者が、オークションで手に入れた写真をブログにアップしたことから始まった。2007年、ジョン・マルーフというシカゴ在住の青年が、オークションで大量の古い写真のネガを手に入れた。その一部をブログにアップしたところ、思わぬ反響があった。熱狂的な賛辞が次から次へと寄せられたのだ。ところが、その撮影者の名前をネットで検索しても一件もヒットしない。ヴィヴィアン・マイヤー。確かに、聞いたことのない名だ。謎は深まる。月日は流れ、その2年後の2009年に、彼女の名前を再ひ検索したところ、今度は奇跡的にヒットした。だが、それは、彼女が数日前に亡くなったという死亡記事だったのだ。ついに彼は彼女の所在を突き止め、彼女を知る人物とのコンタクトに成功するが、意外な事実を知ることになる。彼女の職業は、写真家ではなくナニー(乳母)。15万枚以上の作品を残しながらも、生前1枚も公表することがなかったという。ナニーをしていた女性がなぜこれほど優れた写真が撮れたのか?なぜ誰にも作品を見せなかったのか?謎はさらに深まっていく―。謎の女性写真家の発見に至るまでを描いた奇跡のアート・ドキュメンタリー!

「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」に投稿された感想・評価

GojiKawai

GojiKawaiの感想・評価

4.0
数万点にも及ぶ素晴らしい写真を生前誰にも見せずに孤独に死んだ謎の乳母。

莫大な遺品から読み解く彼女の半生を追って行くドキュメント映画です。

もしこの写真群が彼女の生前に世の中に発表されてたら、写真の世界は変わっていたのかも?

そして個人の密かな趣味というには、余りにも遺脱した作品のクオリティに驚かされる。

いわゆる社会性が皆無な変人としての彼女が、この客観性と主観性を持ち合わせた素晴らしい作品群をなぜ残せたのか?
疑問だらけで映画は進んで行きます。

そして生前出会った多くの人々からみた彼女は、偏屈で奇妙で愛嬌のある女性として語られて行きます。

果たして彼女の社会との接点が写真だったのか?それともだだの記録魔に天賦の才能があったのか?

その稀有な作品群を世に出さなかった理由と共に、興味は尽きません。

このレビューはネタバレを含みます

1人の青年がもしオークションでネガを落札せずに何もせずにいたら、彼女の写真は一生埋もれたままだったと考えるとなんとも運命的な出会いだったと思う。
彼女のは人間の本質を捉えているし、それを写真として残している。ユーモアもあれば優しさ、哀しみ、怒りもある。誰が見ても完璧な写真を何枚も撮っていながら何故、彼女は世間に発表しなかったのか、それはヴィヴィアン本人にしか理解は出来ないけれどやはり芸術家と呼ばれる人は孤独で変わり者が多いのかな。
写真史の中で1枚も写真を発表せずにその生涯を終えた偉大な写真家はおそらく彼女1人。
写真をもっと撮りたいと思える素晴らしい一本でした。
写真家にスポットを当てたドキュメンタリー映画は多くあるけれど、その中でも上位に入る面白さ。普段写真を撮らない人が彼女の写真を見たらどう思うんだろう??
nmn

nmnの感想・評価

-
孤独と言われた彼女が
撮り続けたものは、
決して孤独と見えない
y

yの感想・評価

4.1
中だるみがあるように感じるけど映像(というか作品たち)が綺麗で見入ってしまう。ドキュメンタリーで初めて面白いって思った映画
yasuko

yasukoの感想・評価

-
わたしはこの映画をみてひどく安心したのでした。

それは彼女が社会的弱者であったからだし、彼女の天才的な写真をみて感動したからかもしれない。
そんな彼女の死後に見知らぬ誰が彼女の写真を救ってくれたからかもしれない。
本当のところはもっと因数分解してみなければわからない。




私は写真を撮ることを仕事にしていることに罪悪感がある。

写真なんて誰にでも撮れるからと思うからだし、
そんなことを仕事にしてますと言っている自分が恥ずかしいからでもある。

なんで恥ずかしいのかというとうまく言葉にできないのだが、理由はしっかりしている。
簡単に言うことができるなら、写真を仕事にする為に写真を撮るということが恥なのだ。


彼女は写真を撮っていた。
それは仕事でもないし、誰かに褒めてもらいたいからでもないし、大学で単位を取るためでもない。ましてや、子どもの成長記録でもない。
それが良かった。正方形の画角の中に彼女は写っていなくても彼女がいた。


彼女の関心は何だったか。
見知らぬ誰かへの関心。
見知らぬ誰かが生きる様、それにすれ違う自分。
それだけなんだけれど、ひどく良かった。
言葉にするにはもったいないほどに良かった。
写真にしか伝えられないことがあった。

そんなもの私には撮れない。だから彼女の写真は素晴らしい。



これをみて私も写真を撮ろうなんて思ってしまう自分をまた恥ずかしいと思った。

彼女は誰に言われるでもなく写真を撮っていた。

私は撮らずにはいられないという衝動なんてもうとっくになくなっているからダメなんだと思った。
もうダメなんだと安心して思えた。



それでも、誰かに認めて欲しくてわたしはまた写真を撮るのでしょう。
そんなことやめてくれと恥ずかしく思う。
それでも誰かわたしを認めてくださいとすがる自分がいる。
Runa

Runaの感想・評価

3.7
こういうの大好き!📸

ある日1人の青年が、古い写真のネガを落札。
興味本位で現像し出てきたのは、どれも素晴らしい写真ばかり。
さぞ有名な写真家のものかと思いきや、無名の乳母の作品、しかも彼女は既に亡くなっていた。
彼女は一体何者なのかー

生涯結婚せず、乳母として働きながら
密かにカメラを持ち歩きシャッターを切り続けたマイヤー。
引っ越す度に増えていくネガの数は数十万枚に。
「人生とともに引っ越すから荷物が多いのよね」
「私のことは謎の女とでも思っておいて」
まるで北斎のようなストレートな写真への愛。
遠慮を知らない変人だからこそ撮れた数々は、没後多くの人に評価されることになる。

目利きの青年がいて本当によかった。
日本で展覧会やったら是非見に行きたいな。
だまん

だまんの感想・評価

4.2
ドキュメンタリーの醍醐味をそのまま映画にしたような作品。乳母として生きたヴィヴィアン・マイヤーが残した膨大なフィルム、現像もされていないフィルムを、たまたま落札した青年が、彼女の作品を世に出し、彼女の生い立ちを乳母として勤めた家族からの証言や文献の調査で探る。作品の公開を彼女は望んでいなかったのではないか? と苦悩しながらも足跡をたどる青年の気持ちも引き込まれた。
冬にBunkamuraのソール・ライターの作品展を見たので、ヴィヴィアン・マイヤーの作品にも似たような空気を感じた。
写真もドキュメンタリー映画も大好きな私には、たまらない映画だ。
映画で1番苦手なジャンルはドキュメンタリー映画です。
1つの物語として仕上げることを放棄してるような気がして。
まるで下書きの段階で完成させてしまってるようで、そこから作品にするのが映画じゃねえかよ!と思っていました。

しかしこのヴィヴィアンマイヤーを探してのような芸術を追いかける場合、ドキュメンタリーが最適なのかもしれません。
というか、そもそもドキュメンタリー映画は映画として身構える必要はなく、全く別物のテレビの番組ような感覚で素直に観ればいいんですね。

この映画は15万点以上もの写真を残しながらも、1枚も公表することなくこの世を去っていたヴィヴィアンマイヤーの人物像を、彼女の作品を鑑賞しながら明らかにしていくものです。
彼女の写真は素人の自分からも才能があることがわかり、二眼レフが欲しくなります。
この映画を観終えて、カメラに限らず、新年を機になにか新しいことを始めたくなったので、このタイミングで鑑賞できて良かった。
ミリ

ミリの感想・評価

3.7
今は亡き一人の人物の姿が、いろんな人の証言から浮かび上がってくるのが、ザドキュメンタリーという感じ。

誰にも公開せずに、ただひたすらに写真を撮り続けたヴィヴィアンの真意は何だったのか。
真意が何であれ、良いものは良い。
世間から認められるか認められないかに関わらず、良いものは良い。

2018年は本職以外にも、ライフワークになりそうな副業にいろいろとチャレンジしてみたくなる。
Nrie

Nrieの感想・評価

3.8
周りからただの乳母だと思われてたけど、没後超大量の作品が発見された人のドキュメンタリー。サスペンスが混ざっててすごく面白かった!ぐいぐい引き込まれながら最後まで観た👀亡くなった後に作品発見されるって、ヘンリーダーガーみたい。
この人の写真すごく好きだ〜。言葉も国も時代も違うのに、同じものを見てクスッと笑えるのは嬉しい。悲しい写真も面白い写真もロマンチックな写真も、淡々と等距離で撮ってる感じがして、そんなところも押し付けがましくなくてすごく好き。。
本人自体も生態があばかれるほどめちゃくちゃ興味深い。なんかムーミンの世界に住んでそうな人だなと思う。
発見した人の目利きも素晴らしい!もっと見たいし知りたい!
日本でもぜひ展示してほしいな。
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