ジーク

4分間のピアニストのジークのレビュー・感想・評価

4分間のピアニスト(2006年製作の映画)
4.2
人間は誰しも他人が解する事が出来ずまた他人に解されたくない闇と抑圧を抱えているものだと思います。

この作品はその闇と抑圧にそしてその解放に真っ向からスポットライトを当てていると言えるでしょう。

主人公は二人、殺人の罪で服役中の不良少女ジェニー、その刑務所でピアノ講師を行っている老女クルーガー。

文として一見すれば彼女達の人生に共通点等見えては来ないですが、心の闇と、心を抑圧している点で彼女達は恐ろしく似ていると僕は感じました。

一人は他を拒絶し心を閉ざし一人は自他共に厳しく律し心を閉ざしているのです。

物語は終盤に進むにつれてその抑圧と闇を解放へと誘っていきます。

おそらくラストシーンは物語のうわべをなぞる意味ではカタルシスを得難い部分はあるかもしれません。

それでも僕は思います。
この作品の「最後の4分間」には人間が考えうる抑圧からの解放の全てが詰まっていると


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