ルネ

自由が丘でのルネのレビュー・感想・評価

自由が丘で(2014年製作の映画)
5.0
2014年公開。 ホン・サンス監督作品。

以前韓国で語学学校の教師をしていた日本人のモリ(加瀬亮)。彼が当時の恋人に会いに韓国へ行くのだが、なかなか会えない。その恋人に書いた日記のような長い手紙を彼女が読みながら、そのシーンが再現されていく作り。

しかし彼女は最初のページを読んだところで手紙を落としてしまい、順序がバラバラになってしまう。手紙にはページ数が書かれていなかったので、そのままこの作品も時間軸がバラバラなまま展開するところが面白い。

アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の『21グラム』と同じような構成だが、もっと全然ゆるくてあんまりはっきりしない箇所が多い。

この作品でも主人公はよく眠るので、夢と現実が交錯する。そして映像に区別がないので、どのシーンが夢なのかは釈然としない。その浮遊感というか「ゆらぎ」を心地よいと思えたり楽しめるのか、イライラしてしまうのかでこの作品への評価が変わってくると思う。

67分と短い作品なので、何度でも見返したくなる。喫煙シーン多さには閉口したが、 韓国は喫煙率が高い国らしい。嫌煙家にはちょっと辛いところです。

エリック・ロメールが好きな人には是非観て頂きたい作品です。
ルネ

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