リアリティの限界。
イズムを語るほど知識も教養もないけど、言えることは、南国の湿気だらけのジャングルで全身が汗と垢と土にまみれた匂うような汚なさをドーランだけで表現してしまう限界。
食わなければいけない本能を表しているのに骨ガリではない体で演じる狂気の限界。
リアリティを追求するのがひとつの目的ならばもはや演じるのではなくリアルにならなければいけないのだろうか。
表現がグロいからリアリティがあるってんなら監督さんは間違ってると思うし、小説じゃなくて映画を観たいんだと言う人々を想うことが何より大切なのでは。
生意気御免。
戦争映画のくくりで言うなら、日本のいちばん長い日で演じた役所さんの切腹シーン。あれこそリアリティの究極だと僕は思っている。
こんな映画ばかりなら僕はまた小説世界に戻ってしまいそう。