みっどないと

野火のみっどないとのレビュー・感想・評価

野火(2014年製作の映画)
4.0
衝撃の塚本作品をやっと鑑賞。残念ながら劇場鑑賞は叶わなかったが、完全な暗闇かつヘッドフォン大音量の状況で観た。大岡昇平の原作ものゆえ市川崑版(鑑賞済)と展開やセリフは重なる部分は多いものの与えるイメージは大分異なる。レイテ島における日本兵のまさに地獄絵図ともいえる悲惨さ過酷さを、過剰とも思えるゴア描写で目前に突きつける。画面の端々に映し出される亡骸のリアルさは、戦争写真などで本物のそれを見たことがある者にはいかにそれがリアルであるかに気づくだろう。製作・監督・主演・編集・脚本・撮影の6役をこなし、自主制作・自主配給でこのエネルギーの塊のような傑作を生み出した塚本晋也はやはり異端であり異才だ。
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