あか

野火のあかのレビュー・感想・評価

野火(2014年製作の映画)
3.0
・地獄を作り上げる戦争。
・極限状態で人肉を食べるという人間の恐ろしさ。
・日本軍で共食いが常態化されていた?帰還兵に共食いを行なっていた人が存在していたという史実?
その三点を伝えたかったのかなと感じました。

個人的に一番恐ろしいかったキャラはリリーフランキー演じる安田の存在。
"人間はなぁ、どんなに腹が減っても、煙草と交換すんだよ。"
こういう不気味な彼の性格が、この映画をより恐ろしくしてた。

個人的に残念だったのが、
・ラストにかけての展開が急すぎたこと。
・主人公が歩いているだけのシーンが多すぎたこと。
の2点です。

彩度が高く、クリアな映像が特徴でした。

あと人の肉を食うっていうところの心情描写を映画化するの難しそう。文章だととんでもないことになってそう(小説は怖くて読めない)

この映画全体に言えることですが、映画として見た時の重みや、衝撃の度合いは期待値より低かったです。
サウルの息子の方が素晴らしかったと思う。

塚本晋也は改めてすごい俳優だと思いました。自分はスコセッシの沈黙でしか彼の演技を見たことがありません。
沈黙でも野火でも演技力の高さがすごい。野火では、肉を眺めるシーンの演技がやばいです。笑
あか

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