りほこ

野火のりほこのレビュー・感想・評価

野火(2014年製作の映画)
4.3
小学生3.4年生の頃、昼間にお布団の中で読んでいた本。

火で人が燃えて、銃口が向けられて、生きる事自体が苦難である印象が強く、
これら以外の大事なエピソードが頭から抜け落ちていたなぁ。
毎日おいしいご飯を食べて、寝て、映画や本を読んで、ぬくぬく育った平成時代からは想像も出来ずにいた現実。
本は読んでいたが、本の詳細は覚えていなかった為、映像化された今作を観た。
この作品以外にも戦場の映画を多く観た現在の私にはただの衝撃的映像というよりも、既視感のある景色と大人になって事象の意味を知るという新たな一面が観えた気がした。

次は自分かもしれない、もう死ぬかもしれない。殺された者の痛みを目の当たりにした時に、加害者の自分は自分の為に怖がる権利があるのか。
戦場で英雄が現れるようなハリウッドとは全く違うが、ある男が生還した時間を共有される作品。
妙な空と緑の鮮やかさと、芋の現実味にリアルを感じる。
りほこ

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