JIZE

スパイラル 危険な関係のJIZEのレビュー・感想・評価

スパイラル 危険な関係(2011年製作の映画)
1.8
トビー・マグワイア主演の怠慢期な夫婦生活を闇雲に暗転させ寓意に飛ぶ負の泥沼劇!!蟻地獄の巣に嵌るような不幸の連鎖に溺れ抜け出せぬ感覚..主役が善人故に不気味なブラックユーモアが効き善と悪の境界線が判断し難く独特であった..映画の構造は人物たちが突飛な行動で奔走し関係を炙り出す因果応報な報いを受け無意識に呑めり込む打算的な不条理劇。メタファーであるアライグマの暗喩も掘り下げれば芝生に掘られた穴に無様にも堕ちていく医師の不幸な様を描く映画ですね。結果的にジェフが生粋の悪人でなかった故に万人に共通し誰の身にも当てはま、る映画だったんじゃないかと思う。要は,道を外れ幼馴染みの女性と浮気,その夫と衝突,野蛮な隣人と妊娠騒動などアライグマ退治とも背景が重なり"負のスパイラル"を通じもがけばもがくほど闇が邪念的に増幅し坩堝にハマっていくシニカルな雰囲気は映画ならではで痛快。劇中で「無理が通れば,道理が引っ込む」という台詞があるよう現代社会に一理反映する穿ったこの映画全体を示唆させる常識を斜め上から踏み込む皮肉感は毒の効いた展開で不幸の連鎖は見事。

また主演トビーマグワイアの俳優像がより普通芝居に拍車を掛けた。要は平凡で目立たず1歩引く冷静な目線で物事を判断し難なく目的をやってのける。この個性を浴びない普通像が愉快かつ不穏に脚本を魅せた。本作は映画的に特質した掴み所がない分,主演の力量が大部分を占める映画に思えた。結局,宙吊り状態な闇は闇のまま残し喜劇と区別する方が映画的に成り立つと言う事だろうか..最後にこの映画を通じ決定的に1つの結論に踏み切った事がトビーマグワイア演技は肌に合わなかった。彼のファン限定でお勧めですかね。低予算な愛憎劇をフレンチ感覚で是非。