ジッパーマン

雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのジッパーマンのレビュー・感想・評価

4.5
映像から入ると、デイヴィスのなんでも分解するという行為がすごく狂気的に見えたのですが、妻を亡くして、悲しんでいない自分に気づいたときの彼の心のパラドックスが生み出した行為だと観終わった後に考えると、少し納得しました。

そこからカレンとその息子のクリスとの解放感がありつつ、ちょっとクレイジーな生活でそれまでの分解欲が代わりに埋め合わされていく感じがしました。自分の家を壊すシーンは今までの様に分解してはいなかったので、あれはただ妻との結婚生活を思い出したくなかったからだという彼の主張から考えるとそのころから少しづつ彼女を愛していたことが無自覚にも表れていたんだなと考えました。

そして彼の苦悩の先に生前の彼女のメモを見て泣く姿を見ると心を揺さぶられました。

本作は主人公の心理面において観終わったあとに考えれば考えるほど発見するものがあってとても面白かったです。

あと大の大人が海で思いきっりはしゃいだり、メリーゴーラウンドで遊ぶ姿はとてもうらやましかったです。
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