Towanda

雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのTowandaのレビュー・感想・評価

4.8
映画ってやっぱりいいなって観ていて何度も思った。
妻を亡くしたエリートサラリーマンを描いた、単なる感動作じゃないところがこの映画の真価。
じとっとした空気の感傷的な作品だと思って観たなら、この予想外のテイストの仕上がりにいい意味で裏切られた感を持つと思う。

始まりは、妻が事故に遭って搬送された病院の自販機。
故障した自販機会社の顧客担当者と出逢ったことで、物語が思わぬ方向に進んでいく。

相変わらずジェイク・ギレンホールの演技の上手さには釘付け。
自販機会社のナオミ・ワッツの佇まいは映画の品格を高めてる。
ふたりとも作品選びが本当にいいなといつも思う。特にシリアスなドラマに好んで出てるように思う。
ジェイクが新人時代に『遠い空の向こうに』で共演していたクリス・クーパーとの久々の共演も見所。
とどめは、『わたしに会うまでの1600キロ』などのドラマ映画が得意なジャン・マルク・ヴァレ監督。
これだけの逸材が集まったのだから作品が素晴らしくないはずが、ない。

妻が死んだのに涙さえ流せない夫…この物語は最後どこに着地するのか、観ていてまったく予想がつかない。それでもあのラストシーンを見終えて、こんなに満たされる想いになるとは思わなかった。
この意味深な邦題は、ちゃんと本編に出てくる。もう一度見るときは、この邦題の意味を念頭に観てみたいと思った。
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