遣る瀬なさに打ちひしがれたとき人は何をするか。妻を亡くした主人公の、弱々しい抵抗のような痛々しさが、こちらを常に悲しくさせる。
会えなくなった人の中身はもう見ることはできないし、他のものを解体することで自分が壊れるのを防いでいたのかもしれない。
"If it’s rainy, You won’t see me, If it’s sunny, You’ll Think of me"
言葉は人そのもので、邦題の言葉に出会うシーンが、解体して出会いたかった、もっと触れたかった中身にやっと出会えた瞬間なのだろうか。
会えなくなった人が遺した言葉はまだ生きているしその瞬間のその人だ。
全ての行動が、何かを失ったときの人間の感情を体現していて、共感出来すぎて辛かったけどとても良かった。