saeko

雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのsaekoのレビュー・感想・評価

3.4
知ってはいたけど、よくわからない話だった。
ただ、このよくわからなさが味わいという気もするので、あえて解説などを読まずに書こう。

妻が死んだ後の主人公を見ていると、apathy(無感動)という言葉が浮かぶ。泣く、悲しむ、憤る、など周囲が予想するような反応をせず、無表情に、日常生活に戻る彼。ただ確実に、その出来事がきっかけとなって彼の中の歯車が動き、それまで気づいていなかった、人生の中の軋みを見つけて取り除かずにはいられない、という姿に見えた。

でも私がよくわからないだけで、物語の彼の中では筋が通っていて、ひとつひとつの行動を通して自分の心を分解し、理解し、再統合して、前を向くことができたのだということは感じられて、よくわからんかったのにラストシーンは妙に爽やかに感じられた。
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