YurikoOyama

世界一キライなあなたにのYurikoOyamaのネタバレレビュー・内容・結末

世界一キライなあなたに(2015年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

まず、ルゥが「嫌いな人なんていない」と映画中で発言しているのにも関わらずなぜこの邦題なのか、Me before Youという洋題の響きの良さがもったいなく感じた。

ハッピーエンドのラブストーリーが観たくてチョイスしたものの、安楽死、尊厳死というテーマを扱った問題作だったのか…
私は結末に納得いかない派でした。
でも障害を持つ人の苦悩を描いていると思うと、軽率なコメントが書けない…!

満足期待値のお話なのかもしれない。
現状の環境や自分に満足しながら生きているルゥ、朝目覚めると動かない自分の身体に絶望感を抱くウィル。
自分自信や環境への満足期待値が高ければ高いほど、それが失われた時の絶望度が大きいのだと思う。美しいパリの景色も知らず、字幕付きの映画も観たことがないルゥにとっては、無知だからこそ現状に満足して可能性にも満ちてているけれど、ウィルにとっては身体の動いていた頃体験した素敵な思い出が彼の至上ベストで、現状何を見ても過去の自分や体験と比較して絶望感に囚われ、感動しなくなっているのだろうか。

私もパリに行ったときに見た素敵な景色や体験はすてきすぎて、それ以上でないとやはり比較して感動度は薄れるので、少しわかったような気持ちになった。

ウィルの立場になったらもしかしたら死にたいと思うかもしれない。
自分はルゥかウィルかどっちかと言えばウィル。絶望感に溢れてしまうと思う。
でも、死にたいと思う人に対してルゥは私がいるのになんで?と否定されたようでそれこそルゥが死にたくなってしまうよな…

至上ベストを更新できないかできるかというのは、生きてみないとわからないのではと思うので、あの結末はどうしても納得ができない。
結婚式のあとの車椅子にルゥも乗って走りまくる楽しい感じがあと何回もあるかもしれないのに、その未来はみなくていいのか。

ウィルにとってはMe before you、つまりルゥに出会う前の過去が大切なのだろうかと思ってしまう。

ルゥの元カレのようなポジティブ野郎との比較がすごい。死の匂いをまとったミステリアスな感じが少しかっこよく見えるように描かれてると思うのだけど、それもどうなのかなと。
映画の結末には公開後多くの批判があったようだけれど。。
別のレビューで「死にゆく男はかっこいい」というような感想を書いてる人がいて、どう感想を抱くかは自由なものの、生きることの方がかっこいい、そんなふうに観てる人に思わせられるような結末にしてほしかったと思う。

なんとか結ばれて幸せにしてあげたい二人!
結末が違ったら☆4.5でした。
YurikoOyama

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