監督のダークファンタジーの作り方が好きだ。パンズ・ラビリンス然り、シェイプ・オブ・ウォーター然り、要所要所にグロテスクと言えるものがあるにもかかわらず、美しさを秘めていて惹かれてしまう。
本作はとにかく造形が美しかった。衣装から小道具から画角に至るまで、ゴシック調の作り込まれたディテールがすべてのシーンを絵画のように映している。
話の内容は、複雑に見えて単純な愛憎の物語なので特別心惹かれるわけではないが、主要三名の俳優陣がとにかく魅力的なので、不思議と飽きずに見れてしまう。
美しさと不気味さを併せ持つ独特の雰囲気を楽しみたくて、何度も再生してしまいそうだ。