このレビューはネタバレを含みます
途中から見届けることに疲れ、見届けることに飽きて、映像的な転換の波がない本作にストレスを感じ始める上に、このラストを消化不良に感じる人がいるかもしれない。
映像作品としてみればたしかに物足りなさの方が際立つとはおもう。
細かい内容に対するレビューは割愛して、
“すべてを語りすぎない” 言わば〈観る小説〉くらいの感覚で楽に見守るのがちょうどいい。
映像としての振り幅はほぼない。
しかし起承転結はしっかりある。
登場人物はひとり。あとはすべて、彼の話す電話の向こうの‘だれか’ 。
周囲の人間の深堀りはせず、主人公に全振りした好き嫌いも賛否も分かれるクセのある小説。 トムバーディの演技力の高さだけでも感じ取れればいいとおもう。