らいち

天才バカヴォン 蘇るフランダースの犬のらいちのレビュー・感想・評価

2.5
新作DVDレンタルにて。肩の力の抜けた映画が見たくてチョイス。
世界征服をたくらむ悪の組織が、バカボンのパパの本名を息子のバカボンから聞き出すために、地獄から復活したネロ(「フランダースの犬」)をバカボン家に送り込むという話。「秘密結社鷹の爪」(FROGMAN)の世界観がツボじゃないとやっぱ無理だった~。
もともとシュールな漫画である「天才バカボン」と、フラッシュアニメの相性が良いことに驚く。ボケ倒しと簡略化された画のリズムが非常に合うのだ。また、泣けるアニメとして名高く、自分も子どもの頃見て泣いた「フランダースの犬」をいじくった設定も面白い。村人から散々な仕打ちをされたあげくに天国に召されたネロとパトラッシュ。当時ひたすら不憫に思えたが、本作でのネロは「ふざけんな人間ども!」とブチキレ、天使たちの手を振りほどいて地獄へと向かい、来るべき復讐のときを待ち続けていたという。(笑)
この破天荒な設定に胸を踊らされるが、その後はシュールとナンセンスのギャグがひたすら続く。それにピクリとも反応できず、ただ90分間の映像を眺める。観る人の笑いのツボ次第といったところか。「命運」→「青雲それは~♪」のクダリが笑えたくらいで、自分の場合は本作のくだらなさが笑いに転化してくれない。
赤塚不二夫生誕80周年への敬意か、結末までの流れは結構まともで、バカボンの良心とパパの努力(?)が身を結ぶという話だ(それもどうかという結末だが)。あまりのお行儀の良さに拍子抜けするが、原作ありきだから大きな冒険も出来なかったのだろうと呑み込む。しかしながら、ネロについては一度完全にリセットしたわけだから、憎悪に燃えるネロで、もう少し遊んでくれても良かったんじゃないかな。
【50点】
らいち

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