【突きつめて描かない監督の甘さ】
女の子は可愛いだけでいいのか、という、通俗的ながら重いテーマを扱った映画。
しかしこのテーマを十分に展開するだけの力量が監督にないのが残念です。
可愛いだけで男の子にモテるというヒロインの思い込み、或いは真実が、そもそもちゃんと描かれていません。ここが肝心なところなのですから、その辺の描写には時間をかけるべきなのですが。
それから、ヒロインは単に外見が可愛いだけでなく、可愛いモノが好きで、したがって可愛いお菓子も大好きなのですが、ここから過食症と嘔吐というやはり重いテーマが出てくるはず。しかしこの映画を見る限り、ちょっと暗示されているだけで、それをヒロインがどう解決したか（或いはしなかったか）が分からない。
人間関係もそうですね。巧みに筋書きが繰り広げられるようでいて、最後のツメが甘いんです。それは、突き詰めて表現を行うということを監督がしていないことに根本的な原因があるのだと思う。監督には反省して欲しいところです。
