煌

おんなのこきらいの煌のレビュー・感想・評価

おんなのこきらい(2014年製作の映画)
2.0
物語の主題も、森川葵の好演も、良セリフも、全部全部映画そのものによって台無しにされてるよ。
こんなチープな作りでこの題材を扱ってほしくなかった、脆さの上に成り立った女の子の可愛さをこんな形で消費の対象にしてほしくなかった。
この映画で描かれてることがフェイクだとは思わない、きっとこれを作った監督は、女性としての自らの人生を削って、ある種の切実さを持ちながらこの作品を作ったんだなということがひしひしと伝わってくる。
でも、そういった作り手個人の切実さみたいなものを作品に投影する際、そこには必ず、個人的な経験や情動を乗り越えた先にある、「プロの作り手」としての客観が必要不可欠になるんじゃないか。

客観の欠けた物語は、その欠如の度合いに応じて、作り手本人の為のセラピー映画・自慰的映画として位置付けられてしまうのは当然だし、結果として、本当に届けるべき人にすら届かない映画になってしまうんだよ、きっと。

私はこの物語を必要としている人間でした、だからこそ鑑賞後はものすごくがっかりしたし興醒めもした。ここで描かれているテーマに対しても、映画を作るという行為そのものに対しても。
煌