イチロヲ

徳川女刑罰史のイチロヲのレビュー・感想・評価

徳川女刑罰史(1968年製作の映画)
4.5
罪人に対する「刑罰の在り方」について、オムニバス形式で問題提起している作品。東映異常性愛路線の第3弾。公開年度の東映ナンバーワン・ヒット作品。

第1話のテーマは近親相姦。橘ますみの羞花閉月の可憐さに目を奪われる。

第2話のテーマは破戒。尼僧の賀川雪絵がバイセクシャルに走り、恋敵の尼を釜茹でにしてしまう。もちろん、尼同士のレズプレイあり。賀川雪絵のサイコパスぶりがグッド。

第3話は、芥川龍之介「地獄変」の刺青版ともいうべき物語。ラスト・エピソードを飾るに相応しい、性倒錯の世界を満喫することができる。小池朝雄演じる入墨師の怪気炎が素晴らしい。

この後に継続することになる、東映異常性愛路線の土台が完成形となっている。作品評価を度外視しながら、自己流のエログロエンタメ路線に振り切っていく、その清々しさに感動を禁じ得ない。
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