Ao

コングレス未来学会議のAoのレビュー・感想・評価

コングレス未来学会議(2013年製作の映画)
3.4
美しくない世界で現実を知るか
向こうで幻覚を見続けるか



さて、物語は女優のロビン(本人役)と難病の息子との愛の物語です。
娘もいるけどあんま描写されてないんで笑

ロビンは女優としての価値を業界に認められず、以前の若い頃の姿を20年使わせて欲しいと提案された。
それはロビンの容姿をCGにし、映像作品にするというもの。
つまりロビン本人の演技はもういらないから写真だけくれよってこと。
そのかわり勿論大金は貰えるんだけど20年間は演じる事を禁じられる。
役者としてこんな辛いことあるんだろうか?
自分の演技はいらない。
ロビンの役をやるCGがあればイイなんて、、
それでもロビンは息子の為にお金を選んだ。
ここまででも結構なドラマでしたが、なんと前哨戦でした。

人間が求めるものは美しいものであり、醜く衰えていくものは現実ではない。
それは飽くなく求め続けられ女優がCGになった後は自分の姿を美しいものに変える。

20年後に行き着いたのはアニメの世界だった。

人々は現実を見たくない故に薬物を使用し自身を自由に表現している。
自由にも見えるし、エゴのない平和な世界なんだけど、でもそれって自己満の最上級なだけであって人と人の繋がり、思いやり、愛といったものを感じない恐い世界だ。

そんな世界に求められ、引き寄せられたロビンはアニメの世界(理想の美しい世界)から逃げ出せずにいた。
が、幾度も現実に帰ろうとする。
愛する息子のもとへ。


難病の息子は現実の世界の方が辛いはずなのに、1番に世界を変えたいはずなのに母の帰りを待つ。



あ〜
このなんとも言えない見終わった感じ。
正直後半のアニメには戸惑ったけど、現実(実写)と幻想とのギャップを出すのにはわかりやすい演出だし、表現したいことは理解できました。

でも演出や表現よりも伝わってくるメッセージはその奥にある愛。
愛があるからこそ人間は人間でいられる。
人を思えるからこそ人でいられる。
そんな真理みたいな、哲学のようで当たり前のことをじんわりと伝えてきます。

本当の自由ってなんだろね?

あ、でもこの映画、好き嫌いははっきりと分かれると思います。
ぼくは途中眠くなっちった(´ω`)
Ao

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