このレビューはネタバレを含みます
苦しい話だった。
誰も幸せになれない。
現実の非情さに打ちのめされそうになった。
ローンが払えず差し押さえられた家を追い出される人たちは見ていて本当に気の毒だったんだけど、悪態ついてくるのは違うだろって思う。
直接差し押さえるのは不動産屋でも、そうさせているのは金を貸した側の銀行であって、まして不動産屋は法律にのっとっているわけだし、恨まれたり罵声を浴びせられたりするのは理不尽すぎる。
主人公にしてみれば、自分が追われる側だったのが追う側になって心苦しい面は多々あったろうけど、そこはもう割りきらないとと思ったし、事実割りきったかに見えたのに、母親の反応…。
あの母ちゃんも本当ヒドイ。
自分だって息子が大金持って帰ってきたら大喜びしてたくせに。
この際家なんかどこでもいいじゃん、どこで働こうがいいじゃん、きれいごと言ってられる立場でもないのになぁ。
ババアの反応と、主人公に家取られたって言いがかり付けてきたモーテルで出会った男、本当にイライラしたわ。
これはどちら側に居るかで考え変わると思うし、まぁあまりにも貪欲ゆえに非情になるのもどうかと思うけど、とりあえず家族同士はどんな立場にいても味方でいてあげないと…。
弱肉強食とまでは言わないけど、ある程度自分の家族さえ良ければの精神持ってないと世の中渡れないと思う。
この主人公と家族は、善人だったってオチなんだろうけど、そもそもローンが払えないのになんとかなるだろうと思ってた時点で善人とは言えないし、後先考えない行動が多すぎるし、考えが甘すぎる。
例え社長が色々法的にマズイことをしてたとしても、主人公のせいで不動産屋の社長やその家族の人生を狂わせてしまったんだから、主人公の罪は重いと思う。