日本の戦争映画やドキュメンタリーを観ていく中、「現代の戦争はどうなんだろうか」と思い、「ガタカ」のアンドリュー・ニコル監督が撮った今作を観ることに。
無人機による空爆。
操作するのは軍の基地から。
電話から発せられる命令の下、
モニター越しにターゲットを捉え、
ロックオンし、トリガーを引く。
10秒後、モニターは爆風で真っ白に。
煙が晴れると、モニターの向こうは瓦礫と屍体が広がっている。
この繰り返しだ。
確実に命を奪っているのに、そこに手応えはない。遠くから、音も匂いも感じることもない。
このように現代の戦争では実感もなくゲーム感覚で空爆ができる。
けれど、だからと言って何も感じないわけがなく、殺す側の心は蝕まれる。そして殺された側の憎しみは、新たな兵士を誕生させる。
どこまでいっても憎しみの連鎖。無限回廊から逃れられないのはいつの世も同じなのだ、きっと。
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と、こういった具合なので、映像や展開に派手さは全くありません。ハッキリと地味です。
けれど、意義のある作品だと思いました。
なにをどう理屈つけたって、やっぱロクでもねえよ、戦争。