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ドローン・オブ・ウォーのりのレビュー・感想・評価

ドローン・オブ・ウォー(2014年製作の映画)
1.2
戦闘狂の主人公:トミーは安全地帯からの攻撃、つまりエアコンの効いた一室でドローンを操作して空爆を行うことに違和感を感じていた。スリルを求め、パイロットに抱いていたアイデンティティを捨てられなかったくそ男。
物語はCIAの介入によって大きく動く。というより、主人公の実存の揺らめきが増した。なぜなら、CIAの方針は民間人の犠牲を厭わないからである。周囲に女・子供がいようが関係ない。とにかく撃ちまくる。しかしながら、撃つ対象は危険人物とは思えない。農作業に従事している男や、ただ爆撃を受けた人を助けにいった人までも対象にする。一方で、女性を襲うレイプ魔は攻撃対象にならず、放置されている。
やがて、トミーは自己の行為に耐えられず酒浸りになる。そして、命令不履行へ。爆撃する際に、あえて対象を見失ったのである。
ここまでの展開はまだ理解できる。だが、以下の展開はゴミだ。つまり、彼はレイプ魔を爆撃したのである。てめぇの価値観で善悪を決めて殺すなよ。殺害する権利は誰にもない。もちろんアメリカにもない!だが民間人を殺害することに違和感を感じていたお前がやってはならないことだ。いつの間にか神の視点になってるじゃねえか。ふざけんなくそが。そして、個人的にカタルシスを得て、妻に復縁を求めて帰路につく。くそが。
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