原題「wild」。旅、特に一人の旅というものは、僕らに他では決して見ることの出来ないような景色を見せてくれる事があります。それは外の風景に限らず、自分の中にある風景についてもです。そしてそれは他の人には決して見ることの出来ない風景です。
この作品には、綺麗な風景のカットがほとんど出てきません。主人公がどんな風景を見ることになったのか、僕ら観客は想像する事しか出来ません。
旅に想像するような爽快感は決してありませんが、かなりの良作です。
ところで、この作品の邦題である「わたしに会うまでの1600キロ」。
この「要はこういうコト」みたいな邦題と日本版ポスターのビジュアルを観て鑑賞するとヒドイ目に遭う事になりますので注意が必要な作品です。
こういう、作品の持ち味を削ぐだけでなく、観客をわざとミスリードして興業収入を稼ごうとするような邦題をつける映画会社は本当に罪深いと感じます。
あの「恋人はセックス依存症」を思い出しました。
この映画はそんなもんじゃねぇよ、ガーリーな映画期待してコレ観た人間はどう思うか少しは想像しろっ、バカやろうが!!
…失礼しました。