コーヒーマメ

予告犯のコーヒーマメのレビュー・感想・評価

予告犯(2015年製作の映画)
3.4
あぁ全く共感できないままエンドロールに....
ただ、これはきっと、自分に合わなかっただけのような気がする。
SNSを駆使した現代的なクライム・サスペンスかと思いきや、修造ばりの熱い友情ドラマが繰り広げられ、ラストシーンの儚さはとても感動的。
生田斗真ファンならば、「あぁなんて切ないの....斗真キュンカッコよすぎ!!!」と号泣するのは納得できるし、ファンでなくともかなり胸を打たれるストーリーだと思う。

ただただ、自分には合わなかった。汗
もしかしたら、自分はあまり情の深い人間ではないのかもしれない。
誰かのためにこれほど振り切った生き方をできるだろうか。
不条理な世の中の悪事に対し、いちいち制裁していたら霧がない。
どちらかといえば、そんな社会のなかでどうやって生きていけばいいのか?を描いてほしい。(『恋人たち』のように)

ただ、印象的なシーンもちらほらあって楽しめた箇所も多い。
北野武監督デビュー作『その男、凶暴につき』を彷彿とさせる、生田斗真と戸田恵梨香による不気味で歪な追っ掛け合いシーンは、めちゃくちゃ面白い(ハマったのか7才弟が繰り返し観てた)
ただ、話の展開スピードが緩やかすぎるのはかなりマイナス要素。
日本には、スタイリッシュな編集ができる映画監督が極端に少ない。

社会的弱者に対する優しい目線で物語を紡ぐ監督の気持ちは理解できるし、嫌いじゃない。
ただ、犯人たちの犯行動機があまりにも浅はかで全く共感できなかった。
そして、冬の寒い夜に荒川良々を観ると、無性にほっこりする(笑)