春千雅

キャロルの春千雅のレビュー・感想・評価

キャロル(2015年製作の映画)
3.8
我慢せず、世間の常識に囚われず、自分らしさを貫くキャロルは気高く、本当に美しくかった。
女性同士の友情というか、愛情を、細かいディテールを使って描いた、絵画みたいな作品だという印象。ケイト様(キャロル)の美しさは芸術のようだった。こんな女性に惹かれる気持ちは本当によくわかるし、まだ若い主人公にとって、キャロルを構成するすべての要素が憧れだったのではないかなと思う。そんな彼女を愛するようになるのは、ごく普通の事で、旅行中に移り行く心理描写も絶妙に自然だった。若い醜い男性と生きるより、美しい女性と生きたい。その気持ちは何となくわかる気がする。
ブロンド・毛皮・グローブ・帽子・タバコ・ドライマティーニ・ブローチなどなど・・
キャロルのスタイリングがこの映画のキモだったし、電話をするときイヤリングを外すなどのちょっとした仕草から最後の眼差しまで、衣装を着こなし、指の先まで高貴なキャロルを演じきったケイト様。さすが。
春千雅

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