やまげん太

キャロルのやまげん太のネタバレレビュー・内容・結末

キャロル(2015年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

テレーズ(ルーニー・マーラ)がキャロル(ケイト・ブランシェット)に惹かれていくことに対して、それほど戸惑いを感じてなさそうなところに驚いた。
50年代のNYでは、同性愛はそれほど絶対的なタブーではなかったのかな?
最初はエレガントで美しい大人の女性に憧れてるだけかと思ってたけど、自宅に招かれた時点でもうテレーズは恋してるみたいですよね。
同性に対する恋愛感情を戸惑うことなく、すんなり受け入れるテレーズは先入観にとらわれないフラットな感覚を持ってるんだなと思った。

キャロル目線で見ると、夫はすごい酷い奴に思えるけど、
結婚前に肉体関係にあった友人を家に頻繁に招いたりされたら、不安でたまらないし、夫の気持ちもよく分かる。
夫は夫なりにキャロルを愛してるように思えるだけに、親権争いの場面は切なかった。娘の親権の主張はキャロルを家に留まらせるためのカードに過ぎなかったのに。部屋を出るキャロルを見つめる夫の表情が切なかった。

ラストは絶対別れて終わると思ってたので、これからまた二人の未来が始まりそうな気配を感じさせて終わったのは意外だった!
同じ同性愛を描いた「アデル ブルーは熱い色」とは正反対のラストシーン。
最後を別れで終わらせないところに、現代のハリウッド映画らしさを感じた。
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