美しい愛というものは性別に関係なく訪れるという作品。
ある意味、偶然の出会いから始まる同性愛の物語だが、それを1950年代にして、レトロでありながら普遍性を持った仕上がりになっている。
しかし、キャラクターのリアリティや過去の造形には恐れ入った。LGBT映画において、「我が子」がいるというのは少し考えればあり得る話なのにそこをしっかりと描いていて奥深いものがあった。
それでも惹かれ合う愛情の美しさは映画内でも魅力的で、それでいて夫の目線からもキッチリ描かれており、LGBTに対するというよりも一つの愛に対して誠実に感じられた。
しかし、なぜ恋に落ちるのかの魅せ方が綺麗で愛おしい出来栄えだった。
最後は非常に開かれた終わり方をしており、観客に解釈を任せる良い終わり方だった。