もい

キャロルのもいのレビュー・感想・評価

キャロル(2015年製作の映画)
5.0
2人の女性が織り成す、不安とドラマに満ちた、難解だからこそ美しい愛の物語。
「複雑な女心」がこれでもかと言うほど正直に描かれていました。

舞台は1950年代のニューヨーク。
自分らしさを押し殺した生活を強いられる中で鬱屈していく心境や、爆発する思い。
女性だから、妻だから、母だから。
そんな強制される概念に苦しめられる2人の女性が出会い、自分を取り戻していく中でお互いの愛を確認する。
置かれた環境はすぐにひっくり返る訳ではなく、様々な困難が彼女たちを待ち受けます。
その度、正直に想いをぶつけ合う彼女たちの真っ直ぐな瞳が本当に美しい。
眼差しで語る2人の演技は一見の価値ありです。
その瞳に吸い込まれ、世界観に没頭しながら、彼女たちと一緒の苦悩する。そうしているうちに、映画史に残る最高のラストシーンが。

ヴィンテージ感溢れるデパートでの2人の出会いのシーンは忘れられない。
50'sの煌びやかで美しいファッションにも注目です。
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