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キングスマンのCのレビュー・感想・評価

キングスマン(2015年製作の映画)
3.6
 2022年初映画。年末に映画館で「キングスマン ファースト・エージェント」を観て面白かったので、過去作を観てみようと思い正月早々近くのゲオで借りた。pontaカードを使ったのは久しぶりな気がする。



 これについては何の前情報も仕入れていなかったからではあるが、ファーストエージェントが第一次世界大戦のころの話で最後にヒトラーが出てきたので、てっきり一作目はその続きでヒトラー相手に戦うのかと思っていたが、すっかり時代が進んで現代の話で驚いた。なるほど、確かにファーストエージェントを観てこれはキングスマンじゃない!と言っている人が多いはずだ。ファースト・エージェントのキングスマン(というかまだキングスマン結成前だが)は戦い方が時代にとても合っていて、最後は剣と拳だけが頼りみたいな古風な雰囲気だったが、現代のキングスマンのエージェントは、見た目こそはスーツにステッキの英国紳士だがサングラスはモニターに、傘は電動の盾にと随分ぶっ飛んでいて近未来的である。ストーリー自体もかなりファンキーで、ファーストエージェントのころのレトロさはなく、近年の目まぐるしい時代の流れを映しているようだった。

 初めのほうは欠員したキングスマンを補うテストを選ばれた若者たちが受けて、キングスマンでの活動がどれほど過酷で危険なものかというものを説明していた。犬を殺すシーンがエージェント・オブ・シールドのヒドラで訓練を受けるウォードを思い起こさせた。

 対峙するのは一国の金持ちが企てている携帯電話のチップを使ったサイバーテロ。インターネットと生物学を使ったテロはとても今風だ。現代の必需品であるスマートフォンの内部に紛れて世界中の市民の手に危険なチップが渡り誰もが気づかずそれを使っている様子は現代市民の盲目さを忠実に表していた。キングスマンのエージェントさえもそれに気づかず自らも狂暴化して協会の市民を皆殺しにした後自分も殺されてしまうのは惨かった。



 これはキングスマンシリーズの特徴なのか、グロいシーンやストーリー的に重いシーンに激しめのカメラワークと軽快な音楽を合わせることで全体の作風がかなり明るくコミカルに感じた。最後の方の首筋に埋め込んだ爆弾で大勢の頭が吹き飛ぶシーンなんか、音楽と花火に似せた演習がなきゃ到底観られなかったもの。敵側の義足の女性と戦うシーンなんかもカメラワークが独特でスピード感があった。
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