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ヘイトフル・エイトのFilmholicManのネタバレレビュー・内容・結末

ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

タランティーノ監督8作目(キルビルは併せて1作とカウント)となる
今作ヘイトフル・エイト。

雪山小屋で吹雪をしのぐことになる8人の会話を中心にストーリーは進む。

憎まれるべき人間たち8人(正確には9人いた)のうち、誰が正義だとか悪だとか存在しないため、全員生きて雪山小屋を出られないだろうとは想像できたので、誰が生き残るのかと最後まで目が離せなかった。

会話の1つ1つからそれぞれが殺されてもおかしくない理由、相手を殺す動機が見え隠れし、また多くが嘘をついているためより展開が読めず面白い。


黒人所有のリンカーンの手紙(偽物)を白人が読み上げ、黒人、白人それぞれが首吊りにした女性を眺めてラストを迎えるが、

人種を問わず手を取り合おうとのその手紙の内容、

結果的に雪山小屋の人々は全員死亡(即ち登場人物全員死亡)、

という誰も救われないなんとも皮肉に満ちた結末が斬新であった。


フォントややけに尺の長いオープニング等往年の名作になぞられた作りとともに、この映画を彩るどこか懐かしい音楽は1965年作夕陽のガンマン、1987年作アンタッチャブルといった名作で作曲を務めたエンニオ・モリコーネが担当しているとのこと。

この音楽が映画に重厚感を与えているといっても過言ではない。

また本作は西部劇であるため、多くの西部劇の名作のオマージュが含まれているとのことだが、私は西部劇に疎いため何一つわからなかったのが残念。

皆さんの西部劇のおすすめがあれば是非教えて頂きたい。

タランティーノ作品もパルプフィクションしか記憶にないのでしっかり観ようと思う。

SWシリーズのジェダイマスター、メイス・ウィンドゥやアベンジャーズシリーズのニック・フューリー大佐のような寡黙なキャラクターも

本作のような弁達者な劇場型な人物もどちらもこなせるサミュエル・L・ジャクソンの才能が憎たらしいほどに最高とだけ最後に言わせていただきたい。
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