ヤマタノオロチ

ゴジラ キング・オブ・モンスターズのヤマタノオロチのレビュー・感想・評価

3.5
ゴジラの正統派VS物


【映画としての感想】
基本的に雨や夜のシーンが多いので全体的に明るさが足りなかった。2014年版に比べれば見やすかったけど、昼間のシーンをもっと増やしても良かったと思う。水中でのバトルシーンという新しい試みも良かった。ただ、怪獣たちが人間の作った音で制御されるのも微妙。怪獣の体に対してスケールから考えて音量が小さすぎる。それこそ増幅器を使わないと聞こえないでしょう。また、怪獣がいちいちオンカメするのがいまいち理解できなかった。

俳優陣はミリー・ボビー・ブラウンの演技が際立っていた。ストレンジャー・シングスの頃から知ってるが、演技のレベルが格段にアップしてる。
逆に言えば他が目立っていなかった。渡辺謙も含め演技は平凡。なんで今さらチャン・ツィイーを?みたいな感覚にもなった。

脚本に関しては矛盾点が多いです。東宝のゴジラシリーズもガバガバ脚本なのでオマージュの一貫かもしれませんが、そういう所はオマージュして欲しくなかった。


【ゴジラ映画として】
シン・ゴジラに対して「これがゴジラだ!」と言わんばかりの作品。
常連怪獣でバトルをさせ、新怪獣をちょい出しして次回作に期待させるのも良い。常連怪獣のディテールもこれまでの正常進化に該当するものと言える。また、平成VSシリーズのオマージュも多く、過去作品を見直したくなる様な演出だった。スーパーXの様な超兵器の登場も嬉しい所。

解せなかったのはモスラの扱い。幼虫で糸を吐くのは分かるが、成虫でも糸を吐く。全く意味がわからない。怪獣オタクのドハティがモスラのプリズム光線を知らないはずがない。
もっと解せなかったのはオキシジェンデストロイヤーの扱い。あの場面でその名前を使う必要は無かったはず。怪獣を殺せないオキシジェンデストロイヤーはオキシジェンデストロイヤーにあらず。


「CG使った怪獣プロレスに興味はない」って人はシン・ゴジラでも観ててください。私はCGの怪獣プロレスは大好きです。
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