モンスターバース第3弾。ムートーの造形やゴジラの出番の少なさ、悪くはないがクドい人間ドラマの連続と微妙な余韻を残したハリウッド版第一弾よりの逆襲の第2弾。
モスラ、ラドン、キングギドラの旧来のゴジラシリーズの怪獣を絵画的ショットで荘厳に見せる演出が全編に渡って冴え渡り、ゴジラ・モスラvsキングギドラの先頭シーンはゴジラシリーズ一の見せ場ともいうべき。東宝版の音楽やシーンへのオマージュも上手くこなしているのは良い点であると感じられた。
一方、ドラマ面での演出の稚拙さが目立ち、ヴェラ・ファーミガを始めとする実力派俳優を起用したのにもかかわらず登場人物の動機も演技も中途半端でストーリーが弱く、渡辺謙のあからさまな感動シーンも帰って白けるような流れとなっている。
唯一の救いはマディソンを演じたミリー・ボビー・ブラウンであり、母親の過ちを正し世界を救おうとする少女の役回りを好演していた。
怪獣の王ゴジラの元に集う地球の怪獣たちと、不在のコングと、次作に向けての期待は高まるばかりのラストは素晴らしいが、ポストクレジットの悪人の再登場には一抹の「嫌な予感」を隠せない..