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深夜食堂のPOPCORNのレビュー・感想・評価

深夜食堂(2015年製作の映画)
3.4
安倍夜郎のビックコミックオリジナル連載漫画を基にしたテレビドラマの3つの話が一緒になった劇場版。
「ナポリタン」はピンと来ず、割愛します。

人は人と寄り添ってこそ、旨味にも、雑味にも、変化する。それは味わう人によって違うもの。濃い薄い、好き嫌い、温度の高い低い、と様々。またこの深夜っていう時間帯だからこそ、思い悩み、人と関わり、酒を酌み交わしたい…マスターのスゴく熱くもなくスゴく冷たくもないキャラクターが絶妙のタイミングで、懐かしく温かい料理を出してくれる。その事で、思い悩むという絡まりを優しく解いてくれるかのよう。

「とろろご飯」
無銭飲食を機に「めしや」で住み込みで働くことになったみちる(多部未華子)が最後に話す、ひでこちゃんの話がじんわり。最初から母がいない私と、ひでこちゃんみたいに死に別れるのとどっちが悲しいのかな…お通夜の時1人で料理を作るひでこちゃんに勝手口から玉子焼を差し入れしたら、彼女がこんなこと言った、その玉子焼また誰かの為に作ってあげてねって。

「カレーライス」
福島にボランティア活動で出向いた先でプロポーズされたあけみ。一方返事を貰えないまま、東京まであけみを追ってきたけんぞう(筒井道隆)。共通の友人さやかに何とか間を取り持って欲しいと付きまとう彼の姿に、常連の男連中は同情し、女連中はしつこい辛辣な扱いを受ける。その女々しい男にマスターは一杯のカレーライスを出すんです。その味は福島で味わった味だった…「東京に出てきて、全部捨てて縋り付きたかったんだ、こんなんで幸せになんてなれないのによ…」


ストーリーは…
東京の繁華街の路地裏でマスター(小林薫)が営む小さな食堂「めしや」通称「深夜食堂」。営業時間は夜12:00〜朝7:00位まで、お品書きは豚汁定食、ビール、酒、焼酎だけだが、後は勝手を聞くシステム。そんなある日、ご常連でカウンター席がうまった頃、誰かの忘れ物と思われる骨壷が発見される…。3つのショートストーリー「ナポリタン」「とろろご飯」「カレーライス」を一つにして、クセのあるけどどこか憎めないお客たちと、無骨なのにお節介なのかそうじゃないのか不思議なマスターとの織り成すジメジメしない、ドラマが展開していきます。
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