音清

ババドック 暗闇の魔物の音清のレビュー・感想・評価

ババドック 暗闇の魔物(2014年製作の映画)
4.3


鬱で胸糞な良作。

まずこれは母子の演技が凄くて画面を通して鬱々とのみこまれていく...。観る前は単純に絵本から招いてしまった悪魔の話かなと思ったが、単なるそれではなかった。シングルマザーで悩みを抱えまくっている母の内側に溜め込んだいろいろ(苦悩)は少なからず理解できるし、仕事からも子どもからも離れて完璧に一人で居られる束の間の休息とかの描写が秀逸。このお母さんは夫のことを想い続けてはいるが今目の前の子どものためにずっとずっと走り続けている人。優しいがゆえに無理が過ぎて自分が疲れきっていることにもギリギリになるまで気づかない。実はどの親(人)もババドックとは表裏一体。(あんな絵本の内容みたいなことは起きてほしくないが)誰しも心の中にある孤独とは一生上手につきあっていかなければならない。そんなお話でもあると受け取った。


ちょっぴりホラー版ホームアローン。


(鑑賞回数1回)
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