あさずきとうか

君が生きた証のあさずきとうかのレビュー・感想・評価

君が生きた証(2014年製作の映画)
4.6
死んだ息子の歌を親父が歌い継ぐストーリーって、こんなん絶対泣きますやん。
と思ったら、息子は冒頭5分くらいで早くも死にます。

オイオイ……ちょっと待って。
親子の絆を描いて初めて感情移入出来るんじゃん。
めちゃくちゃ大事なとこ省いてませんか?

でもそれにはちゃんと理由がありました。
その意図がわかったとき、作品の価値がズッシリと重くなります。
ホント良い意味で裏切られましたね。

全然関係のない話ですが、普段ホラー映画を観てると、父が子に注ぐ愛情って、母のそれと比べると圧倒的に弱いんじゃないかと思うことがあります。
それこそが母性の素晴らしいところなんだろうなと。

ただ、逆に母親が絶対に父親に勝てないと思うのが、子供と同じ目線に立って向き合うというところ。
この作品を観てると、それがヒシヒシと伝わってくるんですよね。
一番の親友になって歌を紡いでいく中で、親としての愛情もストレートに込められている。
親父の一番カッコイイ姿を見ることが出来ました。