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君が生きた証のKのレビュー・感想・評価

君が生きた証(2014年製作の映画)
4.5
基本的に静かな風合いながらちょいちょいお洒落な演出。クエンティンのキャラクターがなくてはならない存在。だんだん変わる風貌も印象的。中盤までは秘密ってその程度のことかと思いながら視聴していた。徐々にその程度とは言えない何かが見え始める。慰霊碑。誰が届けた声なのか。それを作ったのはどんな人物だったのか。 芸術にとってその人物の背景は雑音にもなるし希望にもなる。関係ないようで切り離せないもの。そして親の計り知れない後悔がさらに浮かび上がる。この映画において語られない部分は余白となり、各々の想像力で埋められる。そして視聴者は気づけば傍観者から当事者へと引きずり出される。その移行具合が非常にうまい。自らの言葉で書き足して完成させた未完成曲。父から息子へのアンサーソング。当然ながら歌詞のひとつひとつに意味があり、2周目でも充分に見応えのある作品だと感じた。
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