大学で起こった乱射事件で息子を亡くしたサムは事件から2年後自暴自棄な生活を送る中で息子が生前に作った音楽に触れることになって……。と、事前情報はこれくらいに留めておいて観てほしい。他の感想（というかネタバレ）を観ていない方が絶対に良いと思う。（ここの感想もネタバレがあるから観る前は遡らないことを推奨）
タイトル的に全然惹かれなかったけど公開終了直前だったのでとりあえず劇場に行ったら、まさかの掘り出し物だった。観て良かった。観終えた後の、このなんとも言えない、だけど溢れ出んばかりの感情をどうしたらいいのかと戸惑うばかり（良い意味で）
故人の意志を継いで歌うというのはよくあるストーリーだなと思いつつ、サムと彼を慕う若者のやりとりがクスッと笑えたりして、なかなか良い感じに展開していくなーと思って楽しんでいたら。途中で、うわぁぁ……ってなった。そして頭の中でいろんなことが繋がって、更に先のことを考えてもっと、うわぁぁぁぁ……ってなった。
個人的な好みだと思うけど、この組み立ては上手いと思う。好き。見事に手のひらの上で転がされた気分（今も手の上なのかも）
役者さんも良くて、主人公は最初のエリートサラリーマン姿が素敵だったから自棄になった姿を見て落胆したものの、観ていると別の魅力もあるような気もしたり。今改めて思い返してみると複雑な心境をよく演じているなぁと。
そしてバンドの若者達はいかにもなバンドマン風でここは素直に面白かった。とりあえずみんな髪くるくるしすぎだから。
いろいろ思い返したらキリがないけど、サントラが欲しくなる音楽映画。映画のことを考えながらしっかりと歌詞を読んでみたい。
2015-075
