たく

君が生きた証のたくのレビュー・感想・評価

君が生きた証(2014年製作の映画)
3.7
一見爽やかな音楽モノで、観終わってみればどんより重い気持ちになった。
喪失からの再生という定型は守ってるんだけど、話が重すぎて「天気の子」の賛否両論どころじゃなく、この話どう捉えたらいいんだろう?ってなった。

作曲に耽ってる息子がエリート商社マンの父親とのランチをすっぽかす冒頭から、あっさり事が起きて拍子抜けしちゃう。さっきまで電話してたのにもう一生会えないんだと。
ああこれは「ハナレイベイ」みたく失った息子との回想シーンで親子のやり取りを想い出して行くのかと思いきや、そんなシーンもなく‥。

悲しみから自暴自棄に振る舞う父のサムが、偶然見つけた息子の遺品の録音があまりに名曲で自分でギター抱えて歌い始めちゃうのを、息子の年齢と同じくらいの才能あるミュージシャンに見初められて「アリー/スタ誕」と言えば大げさな青春パートになってからのサスペンスが重い。

こういう立場で描いた作品はなかなかないよね。
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