カナオ

ハッピーボイス・キラーのカナオのネタバレレビュー・内容・結末

ハッピーボイス・キラー(2014年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

どうするどうなる?の面白さ、ライアンの繊細な演技、コミカルにしてるけど如何な苦しみを抱えてるか、助けようとしてくれてる人の誠実さ…が織り込んであって、観る前に予想してたよりも、かなりしっかりした映画だった。

ひとつ気になるのは、レーティングがPG12なこと。暴力や猟奇的な表現もだけど、それよりも知識や理解力・判断力の十分でないローティーンの子供が精神疾患への偏見を抱くんじゃないかな…って少し心配になった。

カウンセラーのウォーレン先生が警察官にジェリーの事を「病気なの、傷付けないで」って言ってるところ、ちょっと泣きそうだった。理解と覚悟でカウンセラーの仕事に取り組んでる人だ…と思って(ヒットマンズワイフズボディガードに出てきたカウンセラーの表現に引っ掛かりを感じてたので…)

ジェリー本人も望んでたので、出来ればなんとか情緒を落ち着けて一般社会に溶け込めるようになって欲しかった。けど、薬を飲んで自宅の惨状を目の当たりにして、耐えられない!って苦しんでる姿を見たら、なんかもう…どうしたらいいんだろうね…って悲しくなっちゃった。
ラストが突然の歌とダンスだけど、ボウリング場の火災の中、これ以上人を殺してしまうよりは自分の命を絶とうと決めたジェリーの最後の救いかと思うと泣く。2016年版ゴーストバスターズのEDのダンスがローワンの救いだったのと似てるかも。

疾患のせいで大変な事態になって人も殺してしまうものの、基本イノセントな役どころなので、ライアンファンの視点でもすっごく良かった。ピュアピュアのライアンが可愛い。可哀想なんだけど可愛い。
メイクさんの大変良いお仕事も拝見しました。泣き腫らした目元の痛々しさ、可哀想と可愛いが同時に押し寄せてきて溺れた。
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